先に、私ども玉川楼の近くにある、浄土宗のお寺江浄時についてふれたことがありますが、このお寺は、徳川家康の長男岡崎三郎信康の遺髪を葬ったお寺で知られています。つい先月白い藤の花が見事に咲いて、地元のマスコミの話題になりました。
最近、当代の鶴谷ご住職様が”江浄寺と岡崎三郎信康卿”と題してお書きになられた一文を拝読させていただきました。大変判りやすくお書きになられておりますので、ここに全文載せさせて頂きます。
”徳川家康公が、まだ今川氏の人質として府中(静岡)にいた時、今川氏の一族の娘をめとりましたが(これが、後に「築山御前」と言われた方です。)、この方との間に、一男を設け、長じて後に岡崎三郎信康と称しました。
甲斐の武田信玄は、三遠(三河・遠州)の地に、徳川家康とよく争いました。そのため家康は、隣国の雄、織田信長と結び,火急の場合には救援を得ようとして政略結婚を計り、信康を信長の娘と縁組させました。ところが信康は、豪放ですこぶる剛勇な人でしたので、神経の鋭い猜疑心の深い信長とは、和合しなかったようでした。たまたま母の築山殿と共に武田方に内通していると噂されたので、信長の怒りを買い「不埒なのは、三郎信康なり」と、信長はしきりに、父家康に、我が子信康を討つように強硬に申し入れたのでした。家康は、信康の人となりを信じていましたが、止むを得ず、当時、信康のいた遠州二俣城に討人を向けて、心ならずも犠牲にしてしまいました。それは、天正7年9月15日のことでした。
 信康に仕えていた榊原七郎右ェ門清政は、信康の亡きあと、上州館林に蟄居していましたが、慶長11年家康に召されて、久能城の主を命ぜられましたが、その折、信康の侍女(楓)と平岩七之助親吉とに信康の遺髪を譲り受けまして、江浄寺に葬りました。
 家康は、府中に隠居後も、度々人を遣わして過ぎし日の非道を詫びていました。更には、家康が没し、駿府城が幕府の留守番城となった後も、徳川家では、代参をたててその霊を弔うことを忘れませんでした。
 そして、三代将軍家光の代に至って、江浄寺の紋章に葵の御紋の使用を許可して、此の地方の寺院の頭頌とさせました。当時は、江浄寺に駿府から代参人が、上土まで輿で来て、舟に乗り巴川を下り、仲町裏(今の清水銀座)にて下船し、江浄寺に参入したとのことです。
 こうして江戸時代は、江浄寺の前を通る参勤交替の西国の諸侯は、すべて当地を過ぎる時(今の伝馬町通りが東海道であった)、必ず、大名行列を一旦止めて、当山に参拝することを例としていたと言われます。
 又、当時において、法会を営む時は、駿府城より警護の士を派遣されたということでした。
 星霜移りて約四百年、今では訪れる人もあまりなく寂しく忘れられているのは、本当に残念です。現在、御宝塔は、山門を入ってすぐ左手に、又、御位牌は、本堂の位牌堂の中心に安置してございますので、心あらば、お線香でも手向けて頂ければ、徳川家の為に、若くして犠牲となって散っていった信康卿の御霊も、さぞかし喜ばれることでありましょう。”
 騰雲院殿隆厳長越大居士
(とううんいんでんりゅうごんちょうえつだいこじ)   俗名 岡崎三郎信康  享年二十一歳

「駿州庵原郡江尻  市中山江浄寺由緒書」より抜粋された文が、更に記されております。

・・・・・天正七年九月十五日、服部半蔵正成、天方山城守通経の両名検使として、二俣城に至り、信康を切腹せしむ。時に年、二十一歳也。伝育の任に当りたる平岩七之助親吉と侍女榊原七郎右エ門清政の女と二人にて信康の遺髪を奉じ、江尻に来り、江浄寺に埋葬し、印しの松を植え、小さき五輪の塔を建てしという。・・・・・以下略

この文章を拝読させていただき、今までの私の知識の乏しさを実感。駿府から参拝に来られるのに、巴川を使ったこと、上土(あげつち)まで輿できて舟に乗ったこと、非常に興味深く、今の巴川が当時の巴川とは違ったにせよ、江戸以前でしたら陸上交通路が整備されていなかったでしょうが、東海道が整備された江戸時代でも巴川を利用したとは驚きに近いことです。府中より江尻に来るに陸路よりはやかったのでしょうか。一度このルートを歩いてみようかと思います。

7月16日、巴川で灯篭流しが行われます。ぐづついた日が続きますが、なんとか雨にならないようでホットしてます。
今年2003年の灯篭流しの様子を一寸ご紹介します。



最近のデジタルカメラで写したのはいいのですが、暗すぎました。
雰囲気だけどうぞ。



稚児橋袂で祈祷してはじまります。



六時ごろですがぞくぞく集まってきます。



銀座のみなさんが流してくださいます。



本当に綺麗です。

7月18日、今夏はじめてセミが鳴いていました。(はじめて気がついただけ?)
やっと夏なのかな?

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